院内だより

小児とTMJ(顎関節)について

当院の最近の傾向として、小学校1~2年の低学年層から、症状がなくても顎関節の問題がスタートしている子供が本当に多く見られます。小児の男子で60%、女子で80%程と言えるでしょうか。よって、早めに顎関節を正常化させ、アゴの発達への悪影響を最小限にさせる治療を矯正治療に先駆けて行う場合が増えています。もし、そのまま放置してしまうと、アゴの発育に直接影響がかかり、アゴの非対称、口周りの緊張などにつながります。更に外見だけの問題ではなく、関節の構造に変化を及ぼし、口を開くのが痛い、開かない等、咀嚼機能に障害が起きる可能性があります。

では、“何か原因なんでしょうか?” “どうして円板がずれるの?”とよく患者さんから質問されますが、はっきりしたものはまだわかっていません。ただ、一つの要因から起きるということは少ないのですが、激しいスポーツやプールサイドなどで不意に顎を打った場合、多少の歯ぎしりは問題ありませんが、過度の歯ぎしりの習慣などから円板が前方にずれると言われています。もしそのような経験がある場合は、早めに検査が必要です。またお子さんで2週間に一度といった、定期的な頭痛がある場合、咬み合せからきていることもありますので、顎関節を確認してみるとよいでしょう。

これまで大人の問題だと思われていた顎関節の問題が、子供世代から始まっていることが、最近のCT機器・MRI等の発達でわかってきています。当院では、世界にない試みとして   “治療”ではなく、“予防”を目標に、小児からの経過観察に取り組んでいます。一度壊れてしまった顎関節は元には戻せませんが、その進行を遅らせることが出来るからです。
詳しくは“アゴの関節と歯並びの調和”のページに載せていますので、どうぞご覧下さい。

2006年09月01日 17:50

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