2. アゴの関節と歯並びの調和
口の中の歯並びとアゴ関節とはダイレクトな関係があります。図で解りますように、下アゴの一方に歯があり、他方の末端が関節につながっているわけです。この関節と歯のかみ合わせの調和を計るのも矯正治療の役目です。
またアゴの関節に問題があると、雑音を発したり開口がしにくくなったり関節に痛みがでてくる場合もありますが、かみ合わせ以外の原因による場合もあるため鑑別診断が必要です。小児の場合、アゴの発育に直接かかわりますので要注意です。
動物実験からもわかるアゴ関節の重要性
![]() 動物の下アゴの骨 |
動物実験で右側の円板のずれを作り出すと、下アゴの成長は右側の成長が抑制されるので、正中は右側に偏位することがわかります。ちょうど車の運転中に右側のみブレーキがかかったような状態です。このとき右側の下アゴは長さが短くなるだけではなく、高さも抑制されるのです。この実験が示すように、アゴ関節の問題は、下アゴの成長にも大きく影響するのです。
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アゴの関節と円板
それでは、患者さんのCT・MRIの画像を通して、実際にアゴ関節の仕組みを見ていきましょう。