Dr.Rothは、米国で伝統的に行われている矯正治療法に疑問を持った。大学院で専門医としてのトレーニングを受け開業し5年経過した頃得られた治療結果は、なるほど、歯は真っ直ぐになったが、顔貌は治療前と比べ良くなったとは言えず、機能的にも不満足。せっかく並べた歯も裏側からワイヤーで固定していないと元に戻るといった状態で、治療目標をもう一度明確にし、それまでの矯正治療の診断、治療方法を根底から変化させる必要を感じた。歯科の他の分野、特に咬合を重視し矯正治療に取り入れてゆき、1970年半ばDr.Rothのもとに人々が集りスタディーグループが結成され、彼のコースはスタートした。

日本においては1989年に第1回のDr.Rothによる2年間コースが開催され、現在第7グループの先生方がコースに参加している。また、日本でも卒業生が集りスタディークラブが結成され、日本のそして世界の矯正歯科治療のレベルアップを目指している。

これらのコースの特徴は、治療目標の明確化とそれに基づく診断能力の育成、治療目標に近づくための治療計画の作成、さらに実際治療を行う方法を研修することにある。特に顎関節は咬み合わせにとって非常に重要であるが、従来認識度は少ない傾向にあった。しかし臨床を長く重ねてくると、その重要度が解かってくる。最近ではMRIも進歩し、関節の軟組織、特に円板の位置・状態が解かり、またCTにおいても解像度がシャープになり、3次元で解剖学的形態が把握できるため、この2つを組み合わせると顎関節の状態が非常に解かりやすくなった。この貴重な情報と顎運動、マウントモデルによる顎位のずれ、history、 chair side examination などを組み合わせ、精度の高い診断が可能となった。この診断をもとに新たな咬合学の構築の必要性も出てきた。歯を並べることを主眼とした従来の矯正治療から、より機能を重視した、つまり顎関節の安定を確保するために歯を並べるという流れを、これらのコースは基本としてしている。

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Dr. Ronald H. Roth

1933 - 2005

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