院内だより

矯正治療と顔貌の審美性について

梅雨が明けるといよいよ夏の到来です。夏休みの予定はもうお決まりでしょうか?
今回は、矯正についての耳寄りな情報をお届け致します。まず、初診時にお渡ししている『Beautiful Smile』(当医院長、池田和己先生著)が先月(2003年6月)より書店にて販売されるようになりました!
皆さまには、矯正治療についてご理解頂いていると思いますが、その真の目的や効果についてはまだまだ正しく理解されていないのが現状です。矯正に関する情報も少なく、実際に書店を見回してみても歯科矯正についての本はごくわずか。この『Beautiful Smile』は、矯正治療について一般の人にもっと知ってもらいたいとの目的で書かれた本で、矯正に興味を持つ人にとっては格好のテキスト。この本が書店で販売されることで、一人でも多くの人が矯正について正しい知識をもってくださることを期待します。そして、日本も欧米のように、健康で美しく整った歯並びを常識とするような、歯科矯正の先進国となることを願っています。

さて、このBeautiful Smileの本の中にも書かれていることですが、矯正治療は大きな変化を引き起こす可能性がありますので、治療目標を明確にして治療結果を予測することがとても大切になってきます。矯正治療が影響を与える点は大きく分けて次の5つ。美しい歯並び、顔貌の審美性、機能的咬合、健全な歯周組織、そして機能的顎関節です。このうち案外皆さんご存じないのですが、何よりも大きな関心を持たれると思われるのは、2つ目の顔貌の審美性です。そこでこのことについて少しお話したいと思います。

下の写真を見てください。明らかに横顔が変化していることがお分かりになりませんか?これこそ矯正治療のすごい点です。そう、歯を動かすことによって顔が変わってしまうのです。ただし、このような顔貌の変化は単に歯を動かすだけで偶然得られるものではありません。治療結果を適切に予測する必要があります。その予測があってこそ、どのように歯を動かしたらよいかという治療方法を決めることができます。これをメカニクスといっています。美しい顔貌の変化はまさにプロのなせる技。緻密な計算をもとに出されるメカニクスと、高度な矯正治療技術によって作りあげられた結果の現れなのです。すでに歯はきれいに並んでいるのに治療が終わらないのはなぜ?と感じておられる方、それは先生が口腔内の歯の配列だけではなく、顔貌のよりよい変化を治療目標に入れ矯正治療を行っているからです。結果の時の、先生のお話を思い出してください。当院では矯正治療によって起こりうる顔貌の変化をあらかじめコンピュータでシュミレートさせ、結果の時に皆様にお見せしています。今の矯正治療が終わる時、歯並びだけでなく顔の変化にも気づくことができるでしょう。そこに到達するためにはつらい時期もあるかもしれませんがどうぞ頑張ってください。治療が終了したあかつきには、あなたもきっと美しい笑顔を手に入れているはずです。

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初診時 治療予測


さて、美しいと思う尺度はいろいろありますが、歯科界での横顔の美しさにもある基準があります。一般に、鼻と顎を結んだライン上に上下唇が重なるような横顔が理想的とされ、これをイーライン(Esthertic Line)というのだそうです。先月、このイーラインの美しい女性に贈られる賞の授賞式がありました。今年大賞に選ばれたのは女優の水野真紀さん。水野さんは授賞式で「歯並びを矯正した子どものころは正直いやな思いもしたけれど、今では親に感謝しています」と笑顔で語っておられたとのこと。きれいなお姉さんも、矯正していたのですね。

2003年07月01日 12:00

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