院内だより

フッ素について

こんにちは。
三寒四温が続く日々で、春が待ち遠しい今日この頃です。
春と言えば、何か新しく始めたくなる季節。待ちに待った矯正治療を始める患者さんもいらっしゃることと思います。そこで治療が始まったら必ず使用してほしいフッ素について今回はお話したいと思います。

まず、むし歯がどのようにして出来るかご存知ですか?
むし歯はプラーク中の細菌(ミュータンス菌、タクトバチラス菌など)の感染によって起こります。細菌は、飲食した食べ物から栄養を取り、酸を作ります。この酸によって歯が溶かされてしまった状態が脱灰です。しかし、唾液には暖衡能(酸性から中和にする力)と自浄作用(汚れを洗い流す力)があり、再石灰化を促します。この脱灰と再石灰化のバランスが崩れた状態が続くとむし歯ができます。さらに、矯正装置が入ると以下のような不都合な面が生じます。
 ①装置が入ることにより口の中が複雑な環境になりプラークコントロールが難しくなる
 ②歯と歯の間に食べ物が停滞しやすくなるなど、自浄作用が悪くなる
そこでフッ素がむし歯のリスクを減らす大きな役割を果たします。
フッ素には以下の四つの効果があります。
 ①再石灰化の促進作用
 ②再石灰化の際にフルオロアパタイトを生成し、より耐酸性の高い歯質とする
 ③酸の産性を抑制する
 ④抗菌作用がある
フッ素入りの歯磨き剤を毎日、正しく使用することでむし歯のリスクは確実に下がります。
使い方のポイントは以下の通りです。
 ①フッ素濃度が950ppmF以上の歯磨剤を、十分な量(約1~2㎝=約0.5g)を使用し、歯全体に満遍く行渡る様にブラッシングし、その後うがいを最小限に抑えて30分間は飲食を控える。
 ②就寝時は唾液の分泌が減少する(自浄作用ほぼなくなる)ので、就寝前のフッ素使用が大変効果的です。
 ③唾液が触れない部分、下顎の頬側や上下顎の歯間部など唾液の影響を受けにくい部位に積極的に使用する。

初めは矯正装置が入るとブラッシングが想像以上に難しいと思います。しかし、約2年という長い期間にむし歯を作らず治療を終えるためには“自分の歯は自分で守る”という意識がとても大切になります。むし歯に傷のような自然治癒はなく、一度作ってしまったら削って埋める方法しか残念ながらありません。美しい歯並びと共にむし歯のない患者さんが一人でも多く増えるようDHもofficeでのクリーニングを徹底したいと思っています。


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2010年03月11日 21:33

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