院内だより

ミニインプラントってr…?

2010年9月

9月とはいえまだ夏を思わせる暑さですね。みなさん、夏はいい思い出は作れましたか?
さて、今回は最新技術!ミニインプラントについてです。
インプラントって聞くと大掛かりな感じがしますが、矯正用のミニインプラントは短期間で外す事を前提に設計されていますので、みなさんが想像している一般歯科領域で用いられるインプラントに比較して極めて小さく、施術もすごく簡単なものなんです。麻酔無しで除去でき、出血もほとんどありません。当院で使用しているミニインプラントは直径1.4mm~1.6mm、長さ5~7mmの非常に小さな物で目立たず、傷跡が残る事はありません。また、チタン(人体と親和性のある金属)でできており金属アレルギーの方でも安心です。
ミニインプラントを固定源とすることで、従来は困難だった動かしたい歯だけの移動が可能になります。それにより、次のようなメリットがあります。
 
① 矯正期間の短縮
② 顎関節への負担軽減
③ 顎間ゴムの使用の大幅減少
④ 外科矯正手術の減少化(患者さんによる)
      
ミニインプラントを固定源とすると、他の歯に影響なく動かしたい歯だけに比較的強い力がかけられます。その結果、治療期間を短縮することができます。また、歯は噛む相手がいないと自然と上に出てきます。その逆で歯を歯茎側に入れて行く「圧下」という動きは難しく、治療期間が長引きます。この「圧下」をするのにヘッドギアと呼ばれる顔の周りにつける装置を使用することがありますが、取り外し式ですので患者さんの協力が必要になります。しかし、ミニインプラントは何もしなくても確実に仕事をしてくれるので、ヘッドギアと併用することで治療期間を短縮することができます。
ミニインプラントを使用すると「顎間ゴム」という上と下の歯にゴムをかけ、歯を動かす方法が不要になります。この顎間ゴムは患者さんの協力が必要ですし、何より関節に負担をかけます。関節の弱い方は気をつけなくてはいけません。せっかく矯正で歯並びを直しているのに顎関節の状態が悪くなってしまっては本末転倒ですよね。
そして、外科矯正手術が必要だった症例でも、ミニインプラントの使用により手術しないで矯正治療のみで直せる場合があります。外科矯正をするより矯正期間は延びますが、費用や大変さを考えると矯正治療のみの方が負担は少ないですよね。もちろん、外科矯正をした方が咬合や顔貌が良くなる方もいらっしゃいますので、全ての患者さんに当てはまるわけではありません。外科矯正については過去の院内便り『外科矯正体験記』をご覧下さい。

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まれに骨の柔らかい方(特に、女性や子供)はミニインプラントがしっかりと固定せず揺れてしまう事がありますが、治療期間が短縮されたりその他のメリットを考えと非常に有効な方法ですよね。
最新の矯正治療方法「ミニインプラント」についておわかりいただけたでしょうか?これからミニインプラントをされる患者さん、簡単な施術ですが夏の疲れがどっと出る頃です。体調には気を付けてくださいね。
そして食欲の秋到来!食べ過ぎにも気をつけなくては‥☆

2010年09月01日 00:00

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