院内だより

『2011年 American Association of Orthodontics とRoth Study Club Internationalに参加して』

今回は5月に行われました、American Association of Orthodontics (AAO) アメリカ矯正学会とRoth Study Club International(RSCI)についてご報告します。
アメリカ矯正学会は、約13,500人の世界中の矯正歯科医達が所属する大きな団体組織です。年に1度開かれる学会では、矯正歯科関係者達が世界中から集まります。今年はビジネスの街として有名なシカゴのマコーミックプレイスにて開催されました。とても立派なコンベンションセンターで、会場の広さにはただただ驚くばかり…。展示会場には1日ではとても見て回れないほどのブースの数数数!これだけの数のブースを目の当たりにすると、アメリカでは日本よりはるかに矯正治療が一般化していることが実感できます。しかし、ブースに展示されている商品を見るだけでも、同じ矯正治療とはいえ様々な手法があることに気づきます。歯の裏側に装置を付けて行う矯正治療や、ブラケットを付けない簡易的な治療などもあるようですが、一見歯は並んでいるようにみえても本来の矯正治療の目的である咬み合せ・顎位はどうでしょうか…矯正の盛んなアメリカだからこそ、見た目だけの矯正治療が広がることなく、機能的な咬み合せを目的とした正しい矯正治療が広まることを願わずにいられない私たちでした。

AAO.jpg
AAOの展示会場

さて次に、後半2日間私たちが参加したのがRSCI。この会は、院長がアメリカ、韓国の先生と共に今年立ち上げた勉強会です。院長が師と仰ぐロス先生のコースを受講した世界各国の先生方が意見を交換し合い、切磋琢磨しながら研鑽を積む場を設けたいとの強い思いから実現した会です。
今回の院長の講演のテーマは『顎関節と下顎の成長』。
・子供にも顎関節の問題の大部分を占める円板の転位はとても多くみられ、年齢とともに転位の状態が複雑になること。
・この円板の転位はわずかでも顎の成長に大きな影響を与え、発育の抑制を引き起こすこと。
・そして子供の頃から円板の転位を未然に防ぐことで下顎を成長させ、矯正治療を有利に進めることができること。
等を中心に話しました。聴衆の先生方は熱心にノートを取られ、中には身を乗り出してスクリーンを食い入るように見つめる先生もいらっしゃるほどでした。院長の講演への関心の高さがうかがえた一コマでした。こうして、記念すべき第一回目の会は大成功のうちに終了しました。

RSCI.jpg
RSCIに参加された各国の先生方

今回2つの学会への参加を通して、何より患者さんにとって最良の治療を提供できるよう、そして正しい矯正治療を多くの人に知ってもらえるよう努力していきたいとの思いを新たにした充実した1週間となりました。

2011年06月18日 17:13

« “咬み合わせと頭痛”の深〜い関係  |  院内だよりTOP  |  『誤嚥性肺炎』 »