院内だより

『歯のいろいろ』

秋も深まり、食欲の秋を満喫している方も多いかもしれませんね。おいしい物をおいしく食べるには、入れ歯やインプラントよりも自分の歯でしっかり咬めるのが一番です。
そもそもこの歯…乳歯が生え、グラグラしてきたと思ったら抜けて、永久歯が生えてくる…不思議なものですね。乳歯は生後6〜8ヶ月頃から多くの場合下顎の前歯から生えてきて、3歳頃には全ての乳歯が生え揃います。永久歯は6歳頃から、第一大臼歯(6歳臼歯とも呼ばれます)が生えてきます。その後徐々に生え替わり、だいたい13歳頃には親不知を除く28本が生え揃います。親不知の有無や本数は人によって異なります。
歯の萌出時期には個人差がありますが、乳歯が抜けるのが極端に遅かったり、なかなか生えてこない歯があった場合は歯科を受診して下さい。単に生え替わりが遅いだけなら待っていればよいと安心できますし、なかにはアンキローシスと言って歯が歯槽骨とくっついてしまっていることや先天的に欠損していること等もあるので、問題が複雑化する前に早めにチェックしてもらいましょう。

では、人間以外の歯はどうなのでしょう…特徴的な動物の歯についてご紹介します。

*げっ歯類
ウサギ,リス,ネズミなどはげっ歯類と呼ばれ、これらの動物は常に歯が伸び続けます。そのためいつも硬い物を食べて歯を削り、伸び過ぎないようにしているのです。ウサギは28本の歯を持っていて、全ての歯が伸び続けます。一方でリスやネズミなどは前歯だけが伸び続けます。

*サメ
サメの歯は全部でおよそ200本あり、全てが鋭く尖っています。2〜3日ごとに新しい歯に生え替わります。現在使っている歯の後ろに6〜10列もの予備の歯が控えていて、歯が折れたり磨滅したり抜けたりすると、ベルトコンベアのように次々と内側の歯が前方に移動して新しい歯になります。これは体全体を覆っている無数のとげが変形したものなのです。
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*クジラ
クジラには歯が有るものと無いものがいます。皆さんお馴染みのシロナガスクジラは歯が有りません。その代わり「ひげ板」という物が口の中の左右に300〜400枚有ります。これは上顎の歯茎が変形した物で、成分は人間の爪と同じです。
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*ゾウ
ゾウの牙は犬歯ではなく切歯が長くなったもので、一生伸び続けます。臼歯は上下左右に1本ずつで生えていますがこれは臼歯が1本しかないのではなく、1本ずつ交代で生えてくるためで一生のうち5回生え替わります。人間の歯は下から顔を出してきて垂直に生え替わりますが、ゾウの臼歯は水平交換といってある期間働いた臼歯は後ろから生えてくる新しい臼歯に押し出されて前の方へ抜け落ちていきます。
 
私達人間の歯は、一度生え替わったら一生使い続けなければなりません。一本一本宝物と思って大事にしたいですね。矯正治療では抜歯が必要な事もあり、自分の歯を減らしたくないと思う方もいるかもしれませんが、抜くのが嫌だからといって無理に並べると咬み合わせや顎関節、顔貌を壊しかねません。当医院ではきちんと検査と診断を行い不必要な抜歯はしませんが、抜く抜かないに関わらず機能的な咬合と歯並びの元、一生使える健康な歯の維持に努めましょう!

2011年11月01日 09:07

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