院内だより

✦キシリトールは虫歯予防に効果的??✦

連日の猛暑で体調を崩されていませんか?こんな季節、心も体も、そしてお口の中もすっきりとして過ごしたいですね。最近ではお口の中をすっきりとさせるキシリトールガム、キシリトール配合タブレットなどのお菓子を頻繁に目にするようになりましたが、果たして甘味料として知られているキシリトールは、歯にどのようにいいのでしょうか。
キシリトールは、多くの果実や野菜の中に天然で含まれる自然の甘味料です。ガムやタブレットなどで口にするキシリトールは、白樺などの木から採れる「キシランヘミセルロース」を原料に作られています。砂糖の代わりにキシリトールを利用したり、タブレットや飴、歯磨き粉に配合したりと、虫歯予防に関わるさまざまな研究が続けられています。
なぜキシリトールが虫歯を防ぐことができるのか?理由は3つあります。

☆1つ目は虫歯の原因そのものにならないという事です。キシリトールは口の中で「酸」を作りません。さらに酸の中和を促進する働きも持っています。唾液も出やすくなるなど、口の中を虫歯になりにくい状態に保ってくれます。
☆2つ目は虫歯の発生、進行を防ぐという事です。虫歯の原因となるプラークをつきにくくし、歯の再石灰化を促します。
☆3つ目は虫歯の原因菌(ミュータンス菌)の活動を弱めることができます。このミュータンス菌への働きは、他の甘味料にはみられないキシリトールだけの効果です。
国際的組織トゥースフレンドリー協会認定の「歯に信頼マーク」が付いた食品には、キシリトールが入っていて虫歯になりにくいと言われています。また、厚生労働省から有効性や安全性が認められているキシリトール配合の「特定保健用食品」も信頼できる食品です。

では、どの程度キシリトール配合の食品を摂取すると、虫歯予防に効果があるのでしょうか。例えば、虫歯予防効果が高いキシリトール100パーセント配合のガムの場合、一日3回、1粒を毎食後に噛むと虫歯予防に効果があると言われています。一度にたくさん摂るより、一日に何度かに分けて摂るほうが効果的です。キシリトールを食べると、2週間で歯垢が減りはじめ、3ヶ月ほど経つと虫歯になりにくくなるといわれています。でも、その後すぐに食べるのをやめてしまうと、しばらくして再びミュータンス菌が増え始め、虫歯になる危険性も高くなってしまいます。虫歯予防のためには、毎日続けて摂ることが大切です。
ですがキシリトールがあれば、それだけで虫歯を防げるわけではありません!歯を虫歯から守るためには正しく歯を磨いたり、歯と歯の間にフロスを通したり、フッ素配合の歯磨き粉を使ったりする事が大切です。キシリトールは、プラークを剥がれやすくし、ブラッシングの効果を上げたり、フッ素と一緒になって、より歯を硬くしたり、普段の虫歯予防に加える事で大きな効果を発揮します。つまり、毎日の習慣にプラスすることで、虫歯の予防をサポートしてくれるのが、キシリトールなのです。
最後になりましたが、虫歯予防で最も大切なことは、やはり定期的な衛生士によるチェックアップです。磨けているようで残っている強固なプラークの除去、そして磨き方のチェックを行います。さらに当院では20数年前より“フルオプロテクター”という歯の表面にマニキュアのように塗るフッ素を用いています。半年に1度の塗布で良いのですが、歯の隣接する部分に入り込むので虫歯予防には心強い助っ人ですよ♪

2013年07月20日 11:24

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