下アゴの後退
今度は下アゴの劣成長です。下アゴが後退しているので、上アゴが前突しているように見えます。患者さんは気になっている出ている方で表現することが多いですが、問題なのは下アゴで後退しています。成長の加速期前ですが、成長が深く関わっているので顎関節を含めた診査・診断し、特に顎関節についてはMRI検査を行い円板転位の状態を把握する必要があります。初期の円板転位が見つかりました。成長加速期に下アゴの成長を最大限に誘発してほしいです。その準備として上下のアゴの位置の不安定さと顎関節のCBCT画像から下顎頭は関節窩から大きくずらしているのも確認したので、まず下アゴにスプリントを装着しアゴの位置の安定化を行ないました。そして臼歯と前歯の上下関係の是正をはかるため、最小限の矯正装置と大臼歯にヘッドギアを装着しました。
装置としては下アゴの位置の安定化のために下アゴにスプリントを装着し、上アゴ4前歯に矯正装置と大臼歯にヘッドギアを装着し、前歯の位置の改善と臼歯部の垂直的高さなコントロールも行いました。 。治療期間は1年6ヶ月、治療費は35万円(税別・当時)でした。
- この時期の一般的に治療上のリスクとして、カリエスの発生、歯肉炎、顎関節症の発現をよくあげていますが、本症例では全く起きておりません。
本症例のまとめとしては、治療のタイミングとしてこれから訪れる成長加速期に備え、顎関節の状態を整え、下アゴの成長をなるべく引き出す事を主眼をおきました。大切なのは診断そして治療の手順です。