院内だより

咀嚼(そしゃく)

新年 明けましておめでとうございます!
2004年の幕開けですね。お休みはどのように過ごされましたか?
日本では平安時代から正月元旦を「歯固めの日」と呼び、硬いお餅を食べ歯を鍛えることで家族の長寿と健康を祈る習慣があったそうです。当時から、歯は人間の健康に直結していることを人々は意識していたのですね。
そこで、年始めの今回は、今年も一年みなさんが健康であることを願いまして、私たちのからだ全体の健康に大きな影響を与えるという「咀嚼(そしゃく)」についてとりあげたいと思います。ぜひお読みあれ!

■咀嚼は生きていくための基本 もっと大切にしなければ(03.12.8「朝日新聞」より)

食生活の変化に伴ってか、現代人の咀嚼力は低下しているといわれています。では咀嚼力の低下は私たちの体にどのような弊害を及ぼすのでしょうか。
ものを食べる上で、咀嚼、つまり咬むという行為は欠かせませんが、実はこの時私たちの口の中は無意識のうちにかなり精密な動きをしているのだそうです。左右の歯を交互に使って食べ物を砕き、すりつぶす間に唾液がまぜ合わさり、あごはやや横にずれながら元の位置に戻る運動を繰り返します。咀嚼によって分泌される唾液の消化酵素には、栄養を取り込みやすくするとともに、抗菌作用もあります。従って咬む回数が少ないと、唾液が十分にでていないうちに飲み込んでしまうので、内臓への負担は増し、口の中の抗菌作用が低く虫歯や歯周病も起きやすくなるというわけです。また、こうした動きは周囲の筋肉や神経とも密接に関わっており、脳に影響が表れることも指摘されています。また、左右偏りなく咬むことが大切で、偏った咬み合せをしていると筋肉が緊張し、肩こりや頭痛などの変調をきたす恐れも。さらに咬み癖は聴力にも関係し、咬み癖による疑似難聴の人も少なくないといいます。
このようにざっとあげただけでも、咀嚼は単に食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、全身の健康と大きく関わっていることが分かります。今年は今まで以上に楽しくよくカムことを目標にしてみてはいかがでしょうか。この習慣を身に付けておけば、高齢になっても咀嚼で健康を保てるわけですから。

かむ回数が少ないと起きる弊害

●内臓への負担、下痢や便秘
●虫歯や歯周病が起きやすくなる
●満腹感が得られにくく肥満につながりやすい
●脳の活性状態が低下し、一部の痴呆症につながりやすい

2004年01月01日 15:34

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