院内だより

2004AAO・RWISO学会

皆さま、こんにちは。私は今この受付便りを、最近発売された二胡奏者チェンミンのCDを聞きながら作っています。チェンミンの二胡は、NHKのスポーツ番組や「火の鳥」などで使われていましたので、きっと一度は耳にしたことがあると思います。このCDのタイトルは月。そこには次のようなメッセージが添えられています。「人有悲歓離合 月有陰晴圓缺(人には悲しみも喜びも出逢いも別れもある。満月の夜もあれば三日月の夜もある。)たとえ人生が思いのままにいかなくとも、生命ある限り、頭上に輝くこの月を眺めていたい、感じていたい。」   蒼い月光の下で聞く彼女の二胡の調べはしみじみと心に染み入ります。一人物思いに耽りたいときにはお勧めのCDです。
 さて、今月の院内便りは、今年5月初旬にフロリダ州オーランドで開かれたアメリカ矯正歯科学会とRWISOという学会大会に参加した体験レポートです。お楽しみください。


American Association of Orthodontists(AAO)アメリカ矯正学会は、約14,600人のドクターたちが所属する大きな団体組織です。一年に一度開かれる学会では、世界中から集まる矯正歯科関係者たちがホットな情報を共有しあいます。今年の会場はフロリダ州オーランド。オレンジカウンティというコンベンションセンターの展示会場には矯正関連会社のブースが立ち並び、営業マンたちがここぞとばかりに自社の自慢商品を紹介しています。会場の広さ、ブースの多さ、矯正具や歯磨きキットの豊富さにはいつものことながらびっくりです。今年は↓こんなブタさんを見つけました。

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展示会場の様子 矯正ブタ(ラ)ケット

さて、オーランドには2大テーマパーク、ディズニーワールドとユニバーサルスタジオがあります。その一つ、ユニバーサルスタジオをアメリカ矯正歯科学会が貸し切ってしまったのですから驚きです。私たちはそのおかげでETやジョーズ、バック・トゥ・ザ・フューチャーといった人気アトラクションにも、それほど並ばずに乗ることができました。最終バスの出るぎりぎりの時間まで楽しんでしまいましたが、その日ユニバーサルスタジオに集まった大勢の人たちはみな矯正関連の人なのだと思うと、アメリカでの矯正パワーを感じます。かつて、芸能人は歯が命というCMがありましたけれど、アメリカ人の歯に対する情熱のかけ方も相当なものだと思います。

ところで、オーランドへ行くにはかなり遠距離のフライトになります。私たちはアトランタ経由のデルタ航空で行きましたが、成田から約13時間、アトランタで約2時間のトランジットを経て国内線で約2時間。あわせて約17時間。オーランドに着いたときはさすがにみんなくたびれていました。到着したのは夕方ですが、アメリカはサマータイムを導入していますから、まだまだ昼のような明るさ。と思ったらホテルまでのタクシーに乗り込んですぐにスコールにあいました。雨による歓迎でした。南国に来た感じがしました。私たちが最初に宿泊したホテルはピーボディホテル。とても素敵なホテルでしたが、特に面白かったのは、毎朝11時にダックの行進が見られること。ホテルの名物なのだそうで、10分くらい前になると、どこからともなく滞在客がラウンジに集まってきます。ダックくんたちの通り道には赤じゅうたんが敷かれます。(写真参照)皇室のような扱いです。

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まるで皇室のような扱い 名物ダックくんたち

私はよちよちと歩いてくるダックくんたちを想像していました。日本のカルガモの行進を思い浮かべてワクワクしていました。そこへ、「レディース アンド ジェントルマン・・・」で始まるアナウンスと行進曲が流れます。くるぞくるぞ。カメラを構えます。そして、先頭のダックくんの姿が見え・・・。「あっ」という間の出来事でした。ダックくんたちはわき目もふらず噴水に置かれたえさに向かって直行。その足の早かったこと。鴨突猛進とでもいうのでしょうか。シャッターチャンスを逃した人もきっといたと思います。この行進のために、ものすごぉくおなかをすかせていたのでしょう。夢中でえさを食べ、食べ終わると水浴びをしてお昼寝。本能のままに生きているって感じでした。うらやましい。


フロリダのもう一つのリゾート地についても触れておきます。ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート。調べたのですけど、敷地面積はなんと122平方キロメートルもあるのだそうです。といわれても分かりませんよね。JR山手線の内側の約1.5倍というといかがですか?イメージわきますか?とにかく広かったです。このリゾート地には、4つのテーマパーク(日本のディズニーランドに匹敵するマジックキングダム、万博を思わせるエプコット、映画の世界に誘ってくれるMGM 、そして野生の王国アニマルキングダム)と、2つのウォーターパーク、ユニークなテーマに溢れる20以上のリゾートホテル、そして数え切れないほどのダイニング、ショッピング、エンターテイメント。夢の世界。ディズニーさんの独創的アイデアに脱帽です。


さて、もう一つの矯正学会についても説明をしておきます。RWISO(Roth Williams International Society of Orthodontic)は、アメリカ人の二人の先生Roth先生とWilliam先生が立ち上げ、お二人の先生のコースを卒業された先生方が学会メンバーとして参加しています。日本では、我らが院長、池田和己先生をリーダーに、コースを卒業された先生方でスタディクラブが結成されています。昨年ハワイでのRWISO10周年記念大会では、スタディクラブの有志の先生方でROTH ORTODONTICSという本を作成し、学会初日に二人の先生にプレゼントしました。その本が、今年の5月に英語版で発売されることとなりました。先生方の功績が認められ、本は順調に売れているようです。外国の学術雑誌においても書評をいただくことができ、お手伝いした私たちにとっても嬉しいニュースでした。フロリダでの8日間。天気に恵まれたとても充実した旅行でした。

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最近、プロ野球界が世間を騒がせています。近鉄とオリックスは合併してしまうのでしょうか。来年は本当に一リーグ制になってしまうのでしょうか。確かに、これまでの野球を盛り上げてくれたのは往年のスター選手とオーナーの力だと思います。でも、時代は変わります。新しい人たちが新しい風を吹き込もうとすることを拒むのではなく受け入れて、ファンあってのプロ野球であることを忘れないでほしいと思います。
そして今、矯正界も大きく変わっていく時代かもしれません。私たちのオフィスも、時代の変化とともによりよいものを目指して変わっていかなくてはなりません。常に時代の先端にいることは大変ですが、少なくともそれに向かって努力し続けたいと思います。歯を通して皆様と関わることができたご縁を大切に、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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2004年07月01日 15:43

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