院内だより

顎関節の3D画像

今年のメジャーリーグは、イチローが年間262本の最多安打記録を達成し、松井秀喜がプレーオフでヤンキースの4番を打つなど、日本人の活躍が目立ちました。彼らの試合は衛星放送などで中継されましたから、生放送を見ながら応援された方も大勢いたと思います。今でこそテレビは当たり前のように、海外で活躍する選手の姿を瞬時に伝えてくれます。でも、初めてテレビが登場したころは、こんな時代がくることは考えられなかったことでしょう。

ある物事が当たり前になるまでにはさまざまなプロセスが必要になります。テレビにせよ携帯電話にせよ、それらが人々の心を捉え、誰もが所持する社会になるまではそれなりに時間がかかりました。しかし、一度それを持ってしまうと、今度はそれを持たないことのほうがありえない社会になるのです。世の中というのはそういうものです。

さて、矯正治療界において、実は最近新しい機械が登場しました。それはまだまだ社会には受け入れられておりませんが、数十年ののちにはこれをもたない矯正歯科治療はありえないという社会がくるかもしれません。今回の受付便りは、デンタルCTといわれる機械で撮影した顎関節の三次元画像をお見せしましょう。

まずは前回の復習から。前回の医院便りでは、顎関節は耳の前約1㎝のところにあり、歯並びととても密接な関係にあること。顎関節に問題があると、歯や歯槽骨だけでなく下アゴの位置の変位(顔がゆがむ等)にも影響があること。そのため、矯正治療に入る前に顎関節が正常な位置にあるかどうかを確認することがとても重要であり、治療中も顎関節の位置をずらすことのないように気をつけなければいけないこと等についてお話しました。また、顎関節は直接目に見えないこともあり、歯との関連性についてこれまであまり重要視されてこなかったことについても触れました。しかしこれからは違います。PSR9000Nデンタルという機械で撮影をすると、顎関節がほら、こんなにはっきりと、しかも三次元で見えるようになったのです。

■これがPSR9000Nデンタルで撮影した3D画像だ!!!

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どうですか。耳の穴の中まではっきり見えるでしょう。骨の凹凸や成長を現す気泡状態までも、この機械はしっかりとらえて見せてくれます。顎関節だけでなく歯根や歯槽骨までもくっきり写ります。それにより、これまで手探りや経験上から行うしかなかったことが、目ではっきりと確認をしながら行うことができるようになったのです。見えなかったものが見える。これこそ、今後の矯正界を根本から覆す可能性を秘めたこの機械の威力なのです。

そして驚くなかれ。この機械を日本で初めて導入したのが、何をかくそう池田先生です。この画像と患者さんの訴えと院長先生の臨床診断を組み合わせることで、さらにハイレベルな治療を行うことができるようになりました。皆さんはこれまでにない最先端の治療を受けているというわけです。すごいでしょ。

一度壊れてしまった顎関節は、残念ながら元に戻すことはできないそうですが、これ以上壊れることを防ぐことができるというのですから、正常な顎関節を持っている人だけでなく、顎にトラブルをかかえる人にも画期的な武器となること間違いなし!

紙面の関係で今回はここまで。次回はPSR9000Nデンタルという機械そのものについてもう少し詳しいお話をしたいと思います。

2004年11月01日 16:21

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