院内だより

AAO and RWISO in Boston

2009年8月

今年の夏より院内便りを再スタートすることになりました。ヒルサイドビュー矯正歯科が診療以外に行っていることや患者さんからの声、ドクター、スタッフの声をこれから随時更新していく予定です。是非、楽しみにしていてくださいね。

先日、院長がAAOとRWISOという二つの学会と、ボストン中心部の講演会場でタフツ大学、ボストン大学、そしてハーバード大学の講師とレジデントに講演をする為、副院長とスタッフも参加してきました。今回はその学会についてのお話をします。さて、AAO(American Association of orthodontists )アメリカ矯正学会をご存知ですか?約14,600人の歯科医師が所属する大きな団体組織です。一年に一度開かれる学会では世界中から集まる矯正歯科医とその関係者がホットな情報を共有し合います。関係者は4~5万名と言われています。コンベンションセンターを貸切り、講演や展示会が5日間に渡って行われました。展示会場では広大なスペースに約400以上のブースが所狭ましと並び、矯正関係者が新しい商品の説明を熱心に行っていました。私たちは新しい商品探しと、日本からオーダーした商品を受け取るためMAPで場所を確認。右往左往しながら目的の場所に到着。お馴染みの会社では毎年オーダーしているということもあり「Dr. Ikedaのオフィスから来ました」と伝えただけで、Welcomeモード。すぐ依頼した商品を出してくれました。この調子で2つ3つと周り、目的達成!販売員は陽気でとってもフレンドリー。話していると私たちまで自然に笑顔が出て楽しいひと時でした。そんな中、スタッフの一人が矯正器具にワイヤーを留める早留め競争を発見。3位までに入賞すればデジタルカメラが貰えるということで、意気込んでトライしました。が、惜しくも3人ともトップのタイムに届かず。世界の壁は厚かった・・・来年こそは入賞を目指すと誓ったのでした。

DSCF0045-a.JPG世界中から集まった矯正関係者で会場はにぎわっていました。

DSCF0070-b.JPG400以上ものブース!!


AAOでの院長の講演は5日目、朝から始まりました。講演会場には巨大スクリーンが前と中にあり、約2,000人は収容可能なスペースです。院長の名前が呼ばれ、拍手とともに壇上に上がり、さぁこれからスピーチという時、パソコンの接触がうまくいかず映像が止まってしまいました。前列に座っていたスタッフもハラハラドキドキ。2~3分後に接続も直り、ようやく院長の講演が始まりました。今回のテーマは「Disc displacement and treatment mechanics」。みなさんも覚えてらっしゃいますか?初診時に院長からお話があったことを。矯正治療をする前にまず、顎関節が正常な位置にあるかどうかを確認し、円板(Disc)がずれていた場合にはその位置を安定させてから矯正治療がスタートします。また治療中も関節に過度の負担が掛からないように歯を動かします。講演では多くのスライドを使用し、詳しく説明しました。関節、顔貌、歯並びの改善がドキュメンタリーで見られるのでとてもわかりやすいものでした。スピーチが終わると同時に盛大な拍手で院長の講演は大成功に終わりました。

DSCF0087-dd.JPGAAOで熱演する院長。

DSCF0052-c.JPG2000人以上は入る大きな会場。

次はRWISOでの講演です。RWISO: Roth Williams International Society of Orthodonticはアメリカ人のRoth先生とWilliam先生が立ち上げ、審美性と共に顎の位置を診ながら機能性(かみ合せ)も改善する矯正治療を行う団体です。お二人の先生のコースを卒業された世界各国の先生方が学会メンバーとして参加しています。RWISOは3日間行われ、ここでのトップバッターは院長です。AAOとは違い、院長もリラックスした様子でジョークを交えつつ和やかなムードでスピーチが始まりました。満員の会場では立ち見もでる程で、難しいケースでも審美性と機能性の両方を改善した症例を見て、驚きの声が聞こえてくることもしばしば。約2時間という長いスピーチを終えた後、聴衆は総立ちで盛大な拍手を院長に送っていました。RWISOでも大成功を収めた院長でした。

AAOとRWISOの合間に、ボストン市内で顎関節を診ながらの矯正治療についての1時間半の講演を約30名のタフツ大学、ボストン大学、そしてハーバード大学の矯正学、補綴学の講師、レジデントに行ないました。アメリカでは矯正治療はとてもポピュラーで、約七割が子供の時に治療を受けると言われています。しかし、院長が行っている矯正治療ができるドクターはアメリカでも、世界でみてもほんの一握り。その為、講演に参加していた講師、レジデント達は院長の話に興味津々でした。矯正治療はただ歯を並べるだけでなく、関節と矯正を関連付けて治療を行う重要性をアメリカの先生方に知ってもらえる大変良い機会だったと思います。

三つの講演を聴き、改めて顎関節を診ながらの治療の大切さを実感しています。今では顎関節を無視して矯正治療を始めることに違和感を覚えるほどです。ヒルサイドビュー矯正歯科で20年前に治療を終えた患者さんが、RCで来院された時、維持された機能的な咬み合わせとすてきな笑顔を見ると、もっとこのような患者さんが増えていくことを心から願わずにはいられません。

AAOの展示会で見つけた印象材フレーバーをご紹介します。バナナ、オレンジ、イチゴ、グレープ、コーラの五種類です。大人の方でも印象材が苦手な方は歯の型を取る時、ぜひお試し下さい。その際はお気軽に衛生士に声を掛けてくださいね

2009年08月01日 10:00

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