院内だより

すごい!splintの効果

2009年10月

「どんなに立派な家を造ろうとしても、土台である地盤がしっかりしていないと家は建たない。矯正治療もそれと同じ。」

 …とは、院長の言葉です。土台となる顎関節や咬み合わせの位置がきちんとしていないと、どのように歯を動かしてよいか定まらず、安定した歯並びやか咬み合わせは得られません。そのため当医院では、顎関節に問題を持つ患者さん(思春期の女性の85%、男性の60%に円板転移があります)に、splint治療を行い、顎位を安定させ、関節の状態を良くしてから矯正治療に入ります。

 このsplint、様々な効果があるのです!患者さんから寄せられる声で多いものは次の通りです。
  *頭痛が無くなった、頻度が減った。
  *歯がしみなくなった。
  *肩こりが無くなった、軽くなった。
  *顎が楽になった、口が大きく開けられるようになった。
  *くいしばりや歯ぎしり、咬み締めを自覚するようになった。
    (自覚できると、やめようという意識が生まれます。
    splintをしていれば歯のすり減りや動揺も防ぐことができます。)
  *「小顔になったね」と言われた。
    (咬む筋肉の緊張が解れ、余計な筋肉が落ちるので、顔がスッキリする!?)
                                などです。
 これらの改善は、関節の状態が悪かったり咬合のズレが原因で生じている場合にみられる訳ですが、日常生活に大きく影響するこれらの問題が解決するのは素晴らしいことですよね。私自身も関節が悪く、splintをこちらで作ってもらい着用しています。入れた当初は、分厚い、口が乾く、話しづらい、などマイナス面が先行していましたが、入れているうちにひどかった偏頭痛やめまいが無くなったり、顎がとても楽になり熟睡できるようになったりと、splintのすごさを日々実感しています。

 また、成長期の患者さんでは、splintをすることで下顎の成長を促すことがわかってきました。下顎が小さい方の骨格パターンを改善できるので、矯正治療を有利に進めることができます。splintには問題を複雑化させない、予防的効果もあるのです。
 もちろん効果の現れ方には個人差があります。元々自覚症状の無かった方は、効果が実感しにくいかもしれません。ですがCTやMRIで見ると、ほとんどの患者さんで関節の骨の状態や、関節円板(Disc)の動き等が良くなっているのです。

 やればやるほど効果があるのがsplintです!逆に、やらなければ宝の持ち腐れになってしまいかねません。現在splint治療中の方は、効果を信じて頑張ってくださいね。冬場になると空気が乾燥するので、マスクを着用して頂くと風邪の予防にもなりよいと思います。splintは当医院の技工士が時間をかけて一つ一つ丁寧に作り、現れてきた咬合のズレに合うよう、先生が毎回より良い状態に調整していきます。ぜひ大切にして頂き、愛用してくださいね。

 splint療法で、“顎関節に問題を持つ患者さんが矯正治療を始める前に、その問題を改善しておく”。それが当たり前のものとして、広くとり入れられることが当医院の目指すところです。

RIMG0895.JPG左:上顎用splint/右:下顎用splint  …上顎に装着することが多いです。RIMG0925.JPG来院時に、患者さんのsplintを超音波洗浄器で洗浄します。

2009年10月01日 00:00

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