院内だより

そもそも歯周病って・・・?

2009年11月

最近、「歯周病」という言葉をよくテレビなどで耳にしますが、実際にどういった病気で私達にどんな影響を与えているかご存知ですか?今回は、矯正治療と歯周病の関係、歯周病の予防法についてお話していきたいと思います。

歯周病は成人の約80%がかかっているとされる虫歯、顎関節障害と並ぶ歯科の三大疾患の一つで、歯と歯肉の間に存在する細菌による感染症です。プラークと呼ばれる細菌の固まりが歯肉に炎症を起こし、腫れや出血を引き起こします。プラーク由来の炎症は歯を支える歯槽骨の吸収を促し、放置されていると歯は動揺し最悪の場合抜け落ちてしまいます。歳を重ねるごとに歯が抜け落ち、咀嚼がきちんとできなくなるわけですからQuality Of Lifeが低下するのは明らかです。
さらにこの細菌が歯肉の傷口などから血液や呼吸器内に入り込むことによって、心臓・循環器疾患や早産・低体重出産にも影響を及ぼすとされ、糖尿病との関連も指摘されています。歯と歯肉の間にはポケットと呼ばれる溝があり、その深さが平均約4mmあれば(初・中程度の歯周病)、手のひら程の大きさの面が常に細菌と接していることになります。それが細菌の工場として体内に常時細菌を送り込むわけですから、歯周病がいろいろな生活習慣病にも関係してくるというのも納得です。

では、一体どうしたら歯周病を予防できるのか・・・?

★ プロから歯磨き指導を受けること!
★ 正しい歯磨きの仕方をマスターし、日々プラークの除去を実践していくこと!
★ 定期的に歯医者さんで健診を受け、
  自身では除去の難しい硬いプラーク、歯石をクリーニングしてもらうこと!

以上の3点がなんといっても歯周病予防の基本となります。

そして、矯正治療も歯周病予防に一役買っているのです!歯周病の発症や進行の大きな原因のひとつに歯並びや、咬み合わせの悪さが挙げられています。当院では、治療目標の一つに「健康な歯周組織を作る」ということを掲げています。歯を綺麗にアーチ状に並べることにより歯が磨きやすくなりますし、歯周病で破壊された歯槽骨(歯を支えている骨)や歯肉の形態を改善させることもできます。咬み合わせも良くなるので、一部の歯に余計な力が加わることがなくなり歯周組織への負担も軽減します。また、歯を並べる治療のみを行なうのではなくプラーク除去にも力を入れ、治療が始まってすぐに歯磨き指導を行い以降毎回衛生士さんが磨き残しのチェックとクリーニングを行なっています。しかし、この治療目標を達成し持続させるには皆さんのホームケアがとても重要になりますし、ホームドクターで定期的に健診を受けている方はそれを維持して下さい。歯は一生使う大切なものですから、頑張って正しい歯磨きを実践し習慣づけ、重度の歯周病とは一生縁のない健康な歯周組織を手に入れましょう!!

□重度の歯周病患者さんの歯周組織改善の様子をみてみましょう!□

矯正治療前 32才
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特に歯列弓から飛び出している歯は、
歯肉がかなり下がってしまっているのがわかります。

矯正治療後 34才
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歯の位置が正しくなることにより
歯肉の形、そして位置に調和がとれてきました!

矯正治療20年後 55才
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顎の位置も整い歯列もそれと調和している為、
歯並びは安定し、加齢とともにかえって歯肉の状態が改善しています。

2009年11月01日 13:02

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