院内だより

歯がしみる…知覚過敏症?

“キーン!” “ズキン!”
冷たい物を口にした瞬間、歯がしみたことはありませんか?
虫歯でも歯周病でもないのに、冷たい物を口にしたり風が当たった際、または歯磨きの際に一時的に歯がしみる…これは知覚過敏の症状です。今回は、知覚過敏症についてお話します。

◆なぜ歯がしみるのでしょうか?
 歯の表面部分のエナメル質が傷付き削れてしまったり、歯肉が下がった為に象牙質が露出すると、象牙質に様々な刺激が加わり象牙細管(象牙質にある細い管)を通じて歯の神経、そして脳へと刺激が伝わり、しみる症状が出ます。しみる症状は、体調(ストレス)や唾液中のカルシウム、歯の神経の働きによって出たり出なかったりするので、頻度や程度は一定とは限りません。

◆知覚過敏の原因は?
▷歯ぎしりやくいしばり
 顎位が合っておらず歯ぎしりやくいしばりがあると、一部の歯に過大な力がかかってしまうために、歯の鎧であるエナメル質が壊れたりまた削れて象牙質が露出してきます。歯肉や歯槽骨にも負担がかかります。
▷間違ったブラッシング
 磨く力が強すぎたり動かし方が大きすぎると、歯肉が下がり象牙質が露出しやすくなります。
▷その他
 ホワイトニング、歯石除去後(もともと歯肉退縮があり、象牙質を覆っていた歯石を除去したことで、新しい象牙質が露出するため症状が出ることがあります)、酸の影響、加齢による歯肉退縮なども原因として考えられます。また、矯正治療中の歯牙移動の際に歯が敏感になり、しみることもあります。

◆改善方法は?
①歯面に薬を塗る
 薬が象牙細管をふさぎ、刺激が遮断されるのでしみるのを和らげます。症状がひどい場合は、歯科用セメントやレジンで物理的に象牙質をカバーすることもあります。
②ブラッシング方法の改善
 こちらは衛生士がアドバイスさせて頂きます。歯ブラシが当たるとしみるので磨かない…これではプラークが落ちないので虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。何事に置いても正しいブラッシングが重要です!
③知覚過敏用の歯磨き粉の使用
 これらは歯磨き粉の中に「硝酸カリウム(カリウムイオンが歯の神経の周りで刺激の伝達をブロックする)」や「乳酸アルミニウム(開口した象牙細管をふさぎ、刺激をブロックする)」といった薬用成分が配合してあります。RIMG1286.JPG
 ↑知覚過敏用の歯磨き粉の一例です。
 テレビCMでおなじみのものをご存知の方もいると思います。歯科医院でしか購入できないものもご紹介できますので、ご相談下さい。

☆顎位や咬合のずれが原因でしみる場合、splint治療中であれば顎位が安定してくると、症状が軽減することも多いです!歯ぎしりやくいしばりがあってもsplint全体で力を受けてくれるので、一部の歯や歯周組織に過度の負担がかからなくなるのです。

 ただし…『歯がしみる=知覚過敏』と決めつけてはいけません。虫歯など他の原因で歯がしみることもあります。逆に、自分では虫歯だと思っても知覚過敏という場合もあります。しみる症状が気になったら、いずれかの歯周疾患のサインかもしれないと思って、チェックしてもらいましょう。

 ジメジメした梅雨、そして暑い季節がやってきます。冷たい物を恐れることなく口にして、暑さを吹き飛ばしていきたいですね!  

2010年05月30日 10:24

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