院内だより

『歯肉炎とは?』

みなさん、こんにちは。まだまだ寒い日が続きますが、梅のつぼみが春の訪れを知らせています。春が待ち遠しい今日この頃です。
さて、今日の院内だよりは「歯肉炎」についてお話したいと思います。みなさんもよく耳にする言葉だと思いますが、健康な歯肉と炎症が起きている歯肉の見分けがつきますか?歯肉炎とは歯肉に炎症が起きている状態を指します。歯肉炎は、普段から口の中に存在する細菌が原因で起こります。歯磨きが不十分で細菌が歯面に付着したままの状態が続くと、口の中の常在菌が歯と歯肉の境目周辺で増殖します。歯肉の表面に付着した細菌は歯と歯肉が接触している歯肉溝より歯肉内部に影響を与えますが、これを防御する際に炎症が起こります。この炎症が歯肉のみにとどまっている状態が歯肉炎です。

*歯肉炎の症状*
①歯の周囲に沿って赤い帯状のラインが見られる
②歯と歯の間の歯肉が丸みを帯びている、ぶよぶよした感じがある
③歯磨きの時に軽い痛みを感じる、出血がある
④口臭が強くなる
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米国から転院されてきた患者さんの歯肉。
歯肉が丸みを帯び、腫れてしまっているのがわかります。

*では、健康な歯肉とは?*
①歯と歯の間の歯肉は引き締まって鋭いV字の形
②色がサーモンピンク色
③歯磨きをしても出血することはない
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当院の衛生士の月に1度のクリーニングによって、健康な引き締まった歯肉を取り戻りつつあります。

*歯肉炎を治す方法は?*
 1965年にデンマークのDr. Löeが、歯肉炎を人工的に起こし(歯学部の学生が犠牲になりました)、プラークが原因であることを科学的に発表しました。2週間歯みがきを止めた結果、歯肉炎が発生しました。その後プラークコントロールを始め、2週間で元の健康な歯肉になることを示しました。
正しく歯ブラシが歯面に当たり、プラーク(細菌の塊)を毎日落とすことができれば炎症は引いてきます。ポイントは歯と歯肉の境目のプラークを確実に落とすことです。いくら歯磨きをしてもこの境目にプラークが残っていると炎症はいつまでたっても引きません。プラークがきれいに取れたかどうかは染出し液で確認できます。また、歯肉の色が赤からサーモンピンク色に変化したらプラークが取れている証拠です。(だいたい2週間以内に変化が現れます)

 歯肉炎を放置すると歯周病に進行する可能性があります。歯肉炎は歯肉のみに炎症が起きている状態ですが、歯周病まで進行すると歯を支えている骨にまで影響がでてしまいます。また、矯正中は装置の周りにもプラークが溜まりやすく、歯も動かすので歯肉の炎症が通常より起こりやすくなります。毎日の歯磨きでその日に付着したプラークはその日のうちにしっかり取りましょう。

2011年02月02日 19:40

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