院内だより

“アキシオグラフ(AXIOGRAPH)”とは!?

暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続いていますね。寒いと筋肉も硬くなり体の種々の関節も緊張しがちです。お風呂などで体を温めリラックスしながら、体調維持したいものですね。その際にはぜひ、口を大きく開け閉めして開口のストレッチもしてみてください。パソコンに向かって黙々と仕事をする機会が多い人は、普段口を大きく開けたりすることが少なくなる傾向にあります。顎(アゴ)関節の動きが少ない状態が続くと、顎関節も硬くなり開口しづらくなることがあるのです。
 なぜこのような事を言っているかというと…今回のテーマは、「下顎の動き」だからです。皆さんは普段、どれくらい開口できるかや下顎がどのような動きをしているか意識することは少ないと思いますが、下顎の動き方は人それぞれで顎関節の状態によって異なります。当医院では矯正治療前に顎関節の状態を良くしたり咬み合わせのズレを確認する為にsplint療法を行いますが、その際に下顎の動きを計測します。冒頭の”アキシオグラフ”とは、この動きを計測する器械の名前なのです。
 下顎の動きを計測する器械は各メーカーや作られた年代によって色々種類があります。今はコンピューター付きのタイプもありますが、当医院では30年程も前に西ドイツで発売されたアナログのタイプを大切に使い続けています。経験済みの患者さんも多いかと思いますが、計測時は下顎にトレーが固定されて頭の周りに装置が付いていくので、大変な思いをされることと思います、、、が!下顎の動きを計測することで非常に重要な情報が得られるので、一時の苦労をおかけしますがご協力をお願いします。
 アキシオグラフで計測すると下顎の動きのラインが描写でき、そのラインには顎関節やその中に存在している関節円板(Disc)の状態が表れます。開口、前方、左右側方運動のそれぞれのラインの形や重なり方、また数値も計測するのでその大きさから顎関節のゆるみ,Discのズレや動きなどがわかるのです。
 多くの方が初めて体験する診査だと思うので緊張してしまうかもしれませんが、計測時のポイントはズバリ!顎の力を抜いてだら〜んとすることです。セッティング後まず最初に、先生が皆さんの下顎を指の太さ1本分(約1㎝)くらいの幅で口を開け閉めして、下顎の動きの回転中心を探していきます(ドアを開け閉めする際の動きの軸となるちょうつがいの部分を探す、とイメージして頂くとわかりやすいかもしれません)。下顎に力が入っている状態では回転中心を探すのが難しいので、できるだけ力を抜いて頂きたいのです。上手くやろうと力まずに、脱力状態で先生に顎を預けてくださいね☆
 また、計測する際に数値を1㎜ずつ読むので、ゆっくりゆっくり顎を動かしてください。普段と同じようなスピードで動かしてしまうと早すぎてメモリが読み取れません。
 splintをして顎関節の状態が改善し、顎関節のゆるみが減ったりDiscの状態が良くなったりすると、アキシオグラフのデータにもそれが表れます。そのためsplint療法が終わる頃にも下顎の動きを計測しますし、矯正治療が終わる直前にもポジショナーという装置を作る為に計測します。皆さんには何度かアキシオグラフを経験して頂くことになり負担かと思いますが、お口の中の歯の並びが左右にある顎関節に調和させるのに非常に重要なことなのでご協力よろしくお願いします。セッティングをするスタッフもできるだけスムーズに短時間で終わるよう日々鍛錬していきますので、皆さんもリラックスして、“アキシオグラフ慣れ”していってくださいね!

2014年02月03日 21:17

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